最近「STEAM教育」という言葉がテレビなどで取り上げられることが増えてきました。
これは、元々はアメリカでスタートした教育手法であり、今後、文部科学省などが推進していこうと考えています。(「新学習指導要領の趣旨の実現とSTEAM教育について」)
Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学) and Mathematics(数学)の頭文字で「STEM」
「STEAM」はそれにArt(芸術)を足したものになります。
具体的にどういう教育なのか、今後どのように展開していくのかを解説します。
ICT教育・プログラミング教育との違いは?
ICT教育の考え方
ICTはInformation and Communication Technologyの略で、「情報通信技術」のことを指します。
ICT教育は、授業にパソコンやタブレットを活用しようというもので、「パソコンやタブレットに触れ、使いこなせるようになる」ことを目的としています。
現在、大抵の学校にパソコンがあり、触れる機会があるのは、このICT教育が浸透していると言えるでしょう。
プログラミング教育の考え方
プログラミング教育は、「プログラミング的思考を育てる」、すなわち「考える力を育むこと」を目的としています。プログラミング教育の細かい内容については、こちらの記事を参考にしてください。
STEAM教育の考え方
STEAM教育ではロボットやIT技術に触れて「自分で考え、学ぶ力」を養うことを目的としています。
一見すると、日本のプログラミング教育と違いがなさそうですが、一番の違いは「科学・技術・工学・数学(・芸術)」に特化している部分です。
日本のプログラミング教育では、プログラミング的思考を養うための教科を指定されていませんので、「国語」や「家庭科」の授業でプログラミング教育ができます。
一方、教科が指定されているSTEAM教育では主に「算数(数学)」や「理科」の授業がターゲットとなります。
STEAM教育の目指すもの
情報技術の発展により、子どもたちが就職する頃には、今以上に「コンピュータを使うこと」が当たり前になることが予想されます。
STEAM教育は、そのことを見据えたものとなっているため、現在の教育カリキュラムを見ると理数系研究者やエンジニアになれるような教育に特化しているように感じられます。
一方、日本のプログラミング教育では
「未来のエンジニアを育てるわけではない」
と明言しており、あくまでも「思考力を育てる」ことにフォーカスを当てています。
これは、プログラミング教育の根底に「基礎的な論理的思考力を育てる」という考えがあるため、
STEAMの前にまずはベースとなるような部分を教えよう、と言う意図があるのでしょう。
プログラミング教育は、STEAM(STEM)教育をするためのいわば前段階と言えるでしょう。
将来の「仕事」を見据える
よく「10年後になくなる仕事」などの予想記事が話題になることがあります。
これまでも、技術の進歩に伴い不要となった業種がありますが、今後は「AI」の台頭により「誰でもできる仕事」はどんどん減っていくと予想されています。
今ある仕事がいきなりゼロになることは考えにくいですが、10人必要だった仕事が5人で済むようにはなることは普通にあると思っていいでしょう。
その一方で「AI」を扱う仕事、作る・育てる仕事が増えていくと予想されます。
それを見据えてSTEAM教育の推進が検討されているのです。
また「クリエイティブ」な領域もまだまだ完全になくなることはないでしょう。
STEMにA(Art)を追加したのはそういう背景があるかもしれません。
※ここで言う 「クリエイティブ」とは、単に絵を描くということではなく
「何かしらの新しいモノを作る」
ということです。ただ絵を描くだけであれば、AIの技術は日々進化しています。
新しい事に挑戦できる人材がこの先どんどん求められることでしょう。
家庭でSTEAM教育をするべき?
まだ学校でも始まっていないSTEAM教育を家庭で行うことができれば、将来的には役立つことは間違いないでしょう。
ただ、今までパソコンもタブレットも触った事のないような子どもにいきなりSTEAM教育をする、というのは不安だと思います。
単純にパソコンやタブレットの操作ということであれば、子どもは適応能力が大人とくらべ格段に高いので、心配はありませんが、問題は親側にも知識が無いということです。
まずはおもちゃなどで遊びながら、子どもに
「Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学),Art(芸術) ,Mathematics(数学) 」
を好きになってもらう、ということが第一歩だと思います。
STEAM教育に役立つおもちゃ
STEAM教育をうたったおもちゃが日本でも色々と発売されています。
タブレット型、PCの形をしたキャラクター付きのおもちゃや、組み立てて動かすおもちゃなどが多数発売されています。
1万円~2万円程度で購入できるものが多く、入学祝いや進級祝いなどとしても好まれているようです。
Amazonには「STEM Toys」という特設ページが作られており、年齢別に検索することができるようになっています。
おわりに
日本では、ICT教育はある程度進んでいるようですが、2020年になってようやくプログラミング教育を始めるなど、米国などと比べると遅れているといえます。
日本で STEAM(STEM)教育を受けさせたいと思った時に、一番近い習い事は「プログラミング教室」です。
みらいごとラボでは、ロボットプログラミングコースやマイクラプログラミングコースなど、 STEAM(STEM)教育 に即した教育を提供しています。
家庭用のおもちゃでは満足できない子や、自宅で教育するのは自信がないという方は、プログラミング教室も検討してみてはいかがでしょうか。