現代は「VUCA(ブーカ)の時代」と言われています。
ビジネス的には今までの「勝ちパターン」が通用しない時代とも言われています。
「VUCA」とはどんな意味なのか、子どもへのプログラミング教育にどのようにつながっていくのか、解説したいと思います。
VUCAとは?
VUCAとは、単語の頭文字を組み合わせた造語です。
V・・・Volatility:変動性
U・・・Uncertainty:不確実性
C・・・Complexity:複雑性
A・・・Ambiguity:曖昧性
元々は軍事用語として用いられていた単語ですが、近年ではビジネス用語として用いられる事が多くなりました。
VUCAは、「4つの要因により将来のことが全く予測できないこと」を表しており、昨今の不安定なビジネスの状況を示しているとも言われています。
2020年からはコロナ禍により、その傾向に拍車がかかったと言えるでしょう。
VUCAとDX
この先、DX(デジタルトランスフォーメーション)がどんどん進んでいくことが予想されます。
DXの本質は「トランスフォーメーション(変化)」であるため、DXが進むということは「今まで想像もしなかった、全く新しいビジネス」がどんどん登場することを意味します。
このように、予想もつかない未来が訪れるであろうということを鑑みて「VUCA時代が到来する」と言われるようになりました。
VUCA時代とSociety5.0
内閣府は、このVUCA時代における新しい・次世代の社会を形成する概念として「Society5.0」を定義しました。
Society5.0は、次のように定義されています。
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
今までのITは、スマートフォンやPCと言った情報端末の中で完結するものがほとんどでした。
今後、スマート家電以上に様々なものがインターネットにつながるようになり、更にIT技術の活用が進んでいくと考えられています。
トヨタの進めるSociety 5.0
「トヨタがスマートシティを作ろうとしている」
という話は、CMで紹介されていたのでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
このスマートシティでは、ロボット・AI・自動運転・MaaS・パーソナルモビリティ・スマートホームと言った先端技術を、人々の生活に活用し、新しい生活様式を提示していこうとする実証実験をしようとしています。
トヨタがやろうとしているこのスマートシティこそが、新しい生活、すなわち「Society5.0」なのです。
スマートフォンの普及により、人々は「インターネットによる情報収集」を手軽にできるようになりました。
例えば、誰かと待ち合わせする時、今は迷ってしまってもスマートフォンで位置を特定できますし、常に連絡を取り合ってすれ違いを防止することもできます。
以前はよく発生していた、待ち合わせ時のトラブルが起きづらくなった、ということです。
一見わかりづらいですが、実際は大きな変化が起きているのです。
Society5.0では、もっと日常的な生活にまでこのような「変化」が起きるようになります。
今までの生活からは想像がつかない、便利な生活が訪れることでしょう。
VUCA時代を見据えた教育の重要性
VUCA時代において、危惧すべきは「世の中の変化についていけなくなること」です。
変化が激しくなるということは、それだけ「セオリーが通用しなくなる」ことが予想されます。
そんな中で、子どもたちにどのような教育をしていくべきなのでしょうか。
経団連の「Society5.0と初等・中等教育」提言
2020年7月、日本経済団体連合会(経団連)が
「Society 5.0 に向けて求められる初等中等教育改革 第一次提言」
を公表しました。
ざっくりと言うと、「Society5.0」に向けてビジネスの変化に対応できる人材を育成するにあたり、このような教育が必要なのではないか、という提言がなされたということです。
なお、2020年11月に「第二次提言」も出されていますが、こちらは「第一次提言」をベースに他の事項を盛り込んだものになるため、今回は「第一次提言」を参照します。
経団連の考える「Society 5.0で求められる能力」は次の2つです。
- 課題発見・解決力
- 未来社会の構想・設計力
この能力には「論理的思考力と規範的判断力」が必要、とされています。
また、初等中等教育(小中学校の教育)の方向性は以下のようになってほしい、と希望しています。
- 一斉教育から個別教育へ(落ちこぼれ防止)
- オンライン授業で地域格差を減らす(学校と家庭、学習塾などの連携)
- 受身から主体的・対話的な学習へ
今まで学校で完結していた教育についても、家庭の関与が求められています。
「主体的・対話的」学習については、親がお子さんと一緒に学習していく姿勢が必要になってくるということです。
プログラミング教育のメリット
「主体的・対話的」学習を進めるには、お子さんが主体性を持って学習する必要があります。
主体性を育てるには
- まずは自分で考えてみる
- わからないところはどんどん聞く
- わかったらもっと深く知る
という過程が必要になります。
つまり「試行錯誤」するということです。
プログラミング教育は、この「試行錯誤」を行うのに最適です。
プログラミングのルールを学習したからといって、いきなりゲームを作ることはできません。
「キャラクターを動かすためにはどうしたらいい?」
「どうやったら勝利条件を満たせるのだろう?」
このように、「何をしたいか」から「どうやったら実現できるのか」を一つずつ考えていくことが必要になるのです。
VUCAとプログラミング教育
VUCA時代を生き抜く子どもを育てるために必要な能力は「Society 5.0で求められる能力」とほぼ同じと見ていいと思います。
つまり
- 課題発見・解決力
- 未来社会の構想・設計力
です。
この能力を身につけるための一手段として「プログラミング教育」があります。
プログラミング教育の本質は「プログラミングができること」ではなく「論理的思考力をつける」ことです。
ただプログラミングができるだけでは、VUCA時代を生き抜けるとは言い難いです。
プログラミング教育を通して、問題にぶち当たった時に
「何が問題なのだろう?」
「どうやったら問題を解決することができるだろう?」
という考え方の基礎的な部分を学ぶことが重要なのです。
それがVUCA時代を生き抜くための一歩となるでしょう。
2021年現在、小中学校でプログラミング教育が必修化されています。
学校でプログラミング教育を受けることができますが、まだ必修化されたばかりで戸惑うことも多いと思います。
「学校の授業だけではついていけるか不安」
「もっと先のことを学び論理的思考力、課題解決力を高めたい」
という方は、プログラミング教室に通ってみてはいかがでしょうか。
みらいごとラボでは、オンラインで受講できるコースも充実しており、無料体験授業もできますので、是非ご検討ください。