習い事というと何を思い浮かべますか?
ピアノや歌などの音楽や、サッカー・水泳といったスポーツ。 公文や英語教室などの勉強に関係すること…
色々ありますね。
その中で「プログラミング」の注目度が上がってきているのをご存じでしょうか。
2018年末の「2019年にさせたい習い事」の調査で、1位は「英会話スクール」と「プログラミング教室」だったそうです。
ここ数年で子ども向けのプログラミングスクールは増えており、 2020年のプログラミング教育必修化に伴い需要はさらに増えているのです。
プログラミングの勉強で役に立つこと
以前は存在していなかった「プログラミング教室」。
プログラミングを勉強すると、どんなメリットがあるのでしょうか。
まず、プログラミングを学ぶことで一番のメリットは、
「論理的思考の基礎が身につく」
ということです。
論理的思考とは、とても簡単に言うと「ものごとを理解し、整理して正しく伝えたり、正しく受け取ったりすること」です。
例えば、自分や身の回りにこのような人はいませんか?
・話が長く、いまひとつ言いたいことがわからない
・たとえ話がわかりづらい
・TVやネットの情報に疑問を持たず鵜呑みにする
これは論理的思考が不得意なためと言われています。一般的に、日本人は「空気を読む」文化のためか論理的思考は苦手なようです。
論理的思考を身につけることで、周りとのコミュニケーションを円滑にし、将来的には仕事を進めるにも有利になります。
プログラミングはコンピュータを相手にするので「命令を明確に、正確に」行わないと正しく動きません。人のように空気を読んでくれないので、「こういうとき、どう動いてほしいのか」を考えるようになります。
その結果、プログラミングの勉強を通して、論理的思考を身につけるトレーニングをすることができるのです。
プログラミングとはそもそも何なの?
プログラミングとは、簡単に言うと
「コンピュータが動くための”命令”を記述すること」
です。コンピュータの種類や用途により様々な「プログラミング言語」と呼ばれるものがあり、その文法に従って記述することによってコンピュータに命令することができます。
こう書くといかにも難しいことをしているようですが、ひとつひとつの手順はシンプルなため、未就学児でも遊びの一環としてプログラミングすることが十分可能です。
お料理上手はプログラミング上手!?
プログラミングは、実は料理に似ているとよく言われています。
レシピ通りに正しく作れば美味しい料理になりますが、 手順を無視して適当に作ると(大抵は)不味い料理が出来上がります。
プログラミングも同じで、手順を覚えれば難しいものではないのです。
プログラミングの命令は、料理本のレシピの1ステップとほぼ同じと考えてください。
たとえば、ハンバーグの作り方を考えましょう。
材料を、仮に以下とします。
・牛豚合びき肉
・ 卵
・玉ねぎ
・パン粉
レシピをざっくり考えてみましょう。
材料を切る手順やその他調味料は省きます。
レシピをざっくり考えてみましょう。
材料を切る手順やその他調味料は省きます。
1. 材料をまぜる
2. タネの空気を抜く
3. フライパンで片面を焼く
4. 焼き目がついたら、ひっくり返す
5. 両面焼けたらできあがり
料理が上手な方なら、この手順でできるでしょう。ただ、料理をしたことがない人、慣れていない人に対してだと説明が足りず、形がまとまらない、焦げてしまうなどの失敗をするかもしれません。
プログラミングは、「料理をしたことがない人でも見ただけでハンバーグが作れるレシピを作る」ような作業が必要になります。この場合、料理をするのはコンピュータです。
例えば、このような命令が必要になります。
1.【全体がまざり、軽く粘り気が出てくるまで】材料をまぜる。
2. 形を整えてボール型にする ⇒これを「タネ」と呼ぶ
3. タネを片手から片手へ軽く投げるように【10往復】して空気を抜く
4. タネを【4等分】して、俵型に成形する
5. フライパンにサラダ油を【大さじ1】入れる
6. 【中火】でフライパンを加熱する
7. 【1分後】タネをフライパンにおく
8. 【2分】焼き、下の面に焼き目がついてきたら【フライ返し】でひっくり返す
9. フライパンに蓋をし、【弱火】にする。【6分】蒸し焼きにする
10. 【タネの一番厚い部分】に竹串を刺して、抜いた部分から出る【肉汁が透明】なことを確認する
11. 両面に焼き目がついたらできあがり
ポイントは、
・具体的な数字を出す
・条件(どうなったら次へ進むのか)を明記する
この2点です。
コンピュータは何も知りませんが、指示されたことは忠実に行うことができます。
そのため、あいまいな表現では動かすことができません。 細かく、正しい指示をする必要があるのです。
このように、正しくコンピュータが動く指示を考えることこそ
プログラミング的思考であり、さらに論理的思考を育てる
ということに繋がります。
プログラミングスクールでできること
家でもパソコンやタブレットがあればプログラミングの勉強はできます。
インターネットで「プログラミング 学習」と検索すると、独学で学習する方法が山のように出てきます。
それでも、プログラミングスクールで勉強をする意義とは何なのでしょうか?
先生がいる
お料理教室や学習塾と同じで、やり方を教えてくれる先生がいます。
プログラミングスクールの先生はプロです。
子どもたちの興味を引くような授業をしてくれます。
自身が興味を持ったものに対しての子どもの集中力は、 大人の想像をはるかに超えるものになります。
私どもの教室でも「家では30分と机に座っていられない」 といわれていた子たちが、90分休みなくプログラミングの勉強を続けています。
また、プログラミングの教育で一番大事なのは
子どもが自主的に考える力を育てること
です。
手をかけすぎると考えることをやめてしまいますし、手をかけなさ過ぎても自分で解決ができなくて学習が進まないかもしれません。
スクールの先生は、 そのあたりのノウハウも持っているので、子どもの自主学習に頼るよりも効率よく学習を進めることができます。
同じことをやっている友達がいる
やはり、一人でやるよりもみんなでやるほうが楽しいですし、やる気も出ます。 特に、プログラミングは算数や国語と違い自分のプログラミングでできたものを動かすことができます。
自分が作ったものをほかの子に見せるのも楽しいですし、 ほかの子が作ったものを見るもの楽しいですし、それがまた本人への刺激になります。
最後に
プログラミング教室は以前からありましたが「コンピュータに興味を持っている人向け」であり、趣味の習い事に近い存在でした。
しかし、2020年より始まるプログラミング教育必修化に伴い、 プログラミング的思考を育てるということが必須になりました。
そう考えると、今後は学習塾に近い存在としてプログラミング教室が扱われるようになってくると思います。
習い事の選択肢としてプログラミング教室を考えたときに、何ができるようになるのかをこの記事で知っていただけたら幸いです。